ごはんをふるまう次男

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深夜になって
お泊りに来る次男の友達。

その友達に
いそいそと
冷凍チャーハンをふるまう次男。

私に頼まず、
自分でキッチンに入り、
手早く支度をしています。

時刻はもう夜の11時を過ぎていて、
おかんはもう寝ようとしていた頃。

そんな次男の様子を見ているおかんは、
少し複雑な気持ち。

だってね。
その冷凍チャーハンは、
友達に出すために
買っているんじゃない。

あなたのお昼ごはんのために
買っているものなんだよ。
確かに多めに買っているから、
余っているのかもしれないけどね。

別にケチって言ってるつもりは
ないのです。

おかんだって、
友達が来たら、
精一杯おもてなしをしたいし、
実際やってるし。

だから、
何がどうとか
言葉では説明しづらいほどの、
うっすらとした違和感が
その光景にはあって、
でもきちんと言葉にするほど、
突き詰めて考えるつもりもなくて、
気持ちがモヤモヤしている。

「おかんは嬉しくないけどね。」
って、
敢えて次男に言う。

それは、
次男にそれをやめさせるために
言うのではなく、
彼がそこから
自分で考えて
自分なりの結論を出してもらうために、
言う。

だから、
言えば終わり。

言うだけ言って、
さっさと寝ました。

その後次男は、
友達に冷凍チャーハンを
出しに行きましたし、
これからも同じことを
するかもしれない。

それはそれで、
もういいのです。

おかんはいい気分がしない。
ということを伝えられたから。

ここで子どもに
「そういうの、嬉しくないよ。」
と言って、子どもの行動を
変えようとしてしまうと、
おかしくなってしまいます。

それはもう、
コーチングではなく、
コントロールですからね。

自分が言った後の結果は、
手放しましょう。

手放せない?
手放したくない?

その気持ちを
おかんは否定したり、
批判したりしません。

だって現実に
手放せない。って
言うのだったら。

でも、
その気持ちを手放さないままで、
子育てコーチングの実践は、
できないのです。

手放さない。
ということは、
子育てコーチングの実践をしない。
ということに
なりますね。

コーチングで子どもに接していきたい、
コーチングを子育てに取り入れて、
自分で考え行動する子どもを
育てたい。
特性があっても、
自己肯定感を持ち、
自分で自立して生きていく力を
子どもに持たせたい。

そう考えて、
コーチングを実践しようとするなら、
子どもをコントロールしない。
ということを、
どんなに大変でも
取り組まなくてはならないし、
「できない」では
済まされないのです。

そもそも、
子どもが友達に
ごはんをふるまうのが嫌なら、
買い置きしなければ
いいんです。

あるのに「出すな」では
ないんですよね。

お小遣いなんかも同じこと。

子どもにおこづかいを渡したら、
それは子どものもの。
どう使おうが
子どもの自由。
そこから先を
細かくあれこれ指図して
管理して、
自分が快く思わない使い方をしたら、
子どもを責める。

これでは
いつまでたっても
子どもは自分で考えて行動することが
できません。

ずっと
お母さんの顔色をうかがいながら、
お金を使うか、
大きくなって、
思春期、反抗期が来る頃、
自分の方が体も力も
お母さんを上回り、
勝てると気づいたとたんに、
言うことを聞かなくなり、
それまでの反発もあって、
わざわざ望まない行動に走る。
そういうことって
ありますからね。

子どもを一生コントロールなんて、
できません。

すればするほど、
後々の反発が大きくなり、
大変なことになります。

おこづかいを
自分で考えて使う、
自分で考えてやりくりする。

お小遣いを渡すのは、
それを学ぶためのもの。

何に使ったのか
細かく聞き出して、
親が管理するものではないし、
使い道について
あれこれ言うものでもない。

嫌ならお小遣い制など
辞めてしまって、
親が買えばいいのです。

渡すのに、
口出しするから、
ややこしくなる。

子どもに任せておくような
恰好をとりながら、
いざとなると
自分の思うようにさせようとするから、
おかしくなる。

自分が納得できないからって
子どもの行動に
全部口出ししていたら、
結局子どもは
何一つ自分で考え行動することが
できないまま、
年齢だけ大人になり、
自立できなくなってしまいます。

だから、
コーチングなのです。
親である自分の立場と役割を
しっかり理解し、
わきまえて接していく力。
それを身につけていきましょう。

言いたいことは言う。
けれど、
それでどうなるかは、
子どもに任せる。

もうこれ以上子どもに関わるな。
手を引け。
さもないと、
自分自身が困ることになるぞ。

ってことですよ。

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