かける言葉

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金曜日の朝、
いつもは声をかけるまで
なかなか起きてこない次男が、
6時50分に起きてきました。

「おはよう!」

「おはー」

「今日は早いね!」

「うん」

さてそのあと。

あなたは何か
さらに声をかけますか?

「いつもそうやって起きてくれたらいいのに」

「自分で起きてくれたからお母さんは嬉しいよ」

「なんで普段は起きてくれないの」

「珍しいこともあるもんやね。雪でも降るんちゃう?」

どれが正解で、
どれが不正解。

という風に考えるつもりは
ありません。

ただ、
この言葉を聴いた本人が
どんな気持ちになるのかは、
想像していただけたら。と
思います。

あるいは、
自分だったら
どんな気持ちになるのか。

「いつもそうやって起きてくれたらいいのに」

なんだかその後に、
ため息でも出てきそうな
言い方ですね。

普段全然起きてくれなくて
大変だわ。

って雰囲気が
めっちゃ出ているように
私は感じます。

そう言われたら、
せっかく気分良く早起きしたのに、
なんだかその気分の良さが
どっかに行ってしまいそう(私だけ?)

「自分で起きてくれたからお母さんは嬉しいよ」

たしかに、
責めてもいないし、
ただ気持ちを伝えているだけですし、
ちゃんとIメッセージも
使えているし。

一見いい声かけにも
見えますよね。

私もうっかり
使ってしまいそうです。

けれど、
ちょっと不安も感じます。

それは、
これを言い続けていると、
お母さんを喜ばせるために、
早起きしなくてはいけないのか。
と感じてしまう気がするということ。

そもそも朝起きること、
早起きすることは、
本人が決めて、自分のためにすることです。

親のためではありません。

嬉しいけれど、
それよ強要することで、
本人の行動の主体が
子ども自身から
こちらに移ってしまうような
気がするのです。

「なんで普段は起きてくれないの?」

あたまに「なんで」
とついているだけあって、
ちょっと問い詰められている気も
しませんか?

この言葉に
返そうとすると、
言い訳だったり、
「そんなん知らんやん」
とかになったり
する気がします。

やっぱり
朝の気持ちよさは
少し減る気がするのは
私だけでしょうか?

「珍しいこともあるもんやね。雪でも降るんちゃう?」

あぁもう、
雪でも槍でも
降ってくれ!
降ればいいさ!

とムッとするのは
私だけ?

ほんの軽い冗談で
言うことがあるかもしれません。

けれど、
言われた子どものほうも、
同じように
軽い冗談で流してくれるかどうかは
わかりません。

いつもそんな言葉を
お互いに交わし続けていて、
それが親愛の証なら、
いいのかもしれません。

本当に子ども自身も、
楽しんでそれを使っているのなら。

じゃあおかんは、
どれを言うのか。
というと、
もうお分かりかもしれませんが、
「おはよう!」
「今日は早いね!」
と笑顔で言ったら
もうそれ以上何も言いません。

もう高校生なので、
「早く起きられて偉いね!」
なんてことも言いませんし。

では逆に、
ギリギリになって起きてきたら、
何と言うのか。

散々時間をかけて起こして、
やっとのことで起きてきたとしても、
起きたらそれは
もうよしとします。

追いかけて
文句を言い続けるつもりは
ありません。

おかんは、
「おはよう」
とだけ言って、
彼が遅刻しない時間に
家を出られるように、
全力で弁当を作るだけ。

そこでいちいち
止まって
起きてこないことを
ネチネチ言ってても、
何も変わらないどころか、
お互いもっと嫌な気分になるし、
その分支度が遅れるし。

その時間に起きたことを
全く気にしていない子なら、
こちらが1人で空回りだし。

「おはよう」
の挨拶は、
いつも気持ちが上がるように、
笑顔でするように
心がけています。

そして、
今の事実をそのまま伝える以外に、
責めたり、
おかんの願望を押し付けたりもせず、
本人の行動を
茶化したりもせず、
子どもがいつもの時間に、
気持ちよく出かけられるように、
自分のできることを
精一杯します。

あなたは朝の言葉、
どんな風にかけていますか?

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