励まさなくていい。アドバイスもしなくていい。

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子どもの話を、
ただ聴く。
という、コーチングの
基本のき。
のお話です。

私たちは普段、
人と会話をするときは、
人の話から、
あれこれ気持ちを動かし、
脳を働かせ、
なんと返事をしようかと、
考えていることが多いですよね。

例えば子どもが、
「勉強がわからない」
と言ってきたら、
わかるためには、
どんなアドバイスが必要か。

考えてしまったりします。
そして、
「あーしたらいい、こーしたらいい」
というアドバイスをしたり、
「いやいや、あなたはちゃんとできているよ」
と、励ましたりします。

逆に
子どもが「勉強なんてしたくない」
と言ってきたら、
「何ってんの!勉強しないと、
高校に行けないよ、
大学に行けないよ」
と、
なんとかして
本人にやる気を持ってもらおうと、
危機感を煽ったりします。

でも、
子どもがそんなことを
言い出した時の、
コーチング的親の返事の正解は、
「あーそうなんだ、勉強がわからないんだね」
「あーそうなんだ、勉強したくないんだね」
です。

それだけ。

励ましも、
アドバイスも、
脅しもいりません。

ぶっちゃけ、
そんなのしなくていい。

なぜだと思いますか?

親は、
子どもが落ち込んでいたり、
悩んでいたりしたら、
励ましたり、アドバイスをするもの。

親は、
子どもがすべきことを
していなければ、
脅してでもさせるもの。

だと思って、
日々親をやっていませんか?

実は、違うのです。

親の役割は、
子どもが安心して
話をしたり、
考えたりできる環境をつくること、
子どものありのままの、
感情や言葉や行動を
受け止めていくことであり、
子どもを正したりすることでは
ありません。

ましてや
勉強をさせることでは
ないのです。

例えば、子どもが
「私は勉強できない」
と言ったとき、
「そうか、できないと感じているんだね」
は共感になります。

けれど、
「いや、あなたはできているよ」
は、否定になります。
子どもが言っていることと
逆のことだからですね。

じゃあ
「こうすればできるようになるんじゃない?」
はどうでしょうか。

実は、ここで親が言う方法は、
あくまで親の中にある、
親自身の答え。
子どもの答えではないのです。

なので、
本人が自分の中から、
自分の答えを見つける前に
それを言うことは、
親の価値観の押し付けにも
なるのです。

極端に言えばね。

大事なことは、
子どもが言った、
「勉強ができない」
を何とかすることではなく、
「勉強ができない」
という気持ちを
まずはそのまま
受け止めてあげることなんです。

受け止める、認めることは、
「勉強ができなくていい」
と認識することではありません。

子どもがそういう気持ちを持っている。
ということを
認識することです。

そうかそうか。
できない。って感じているんだね。

子どもが感じていること、
考えていることを、
いいか悪いか、
直すかどうか、
という視点で見るのではなく、
「子どもがそう感じている」
という事実として、
ただ認識すること。

子育てコーチングで、
親が自分の中に
育てていかないといけないのは、
この認識する力であって、
善悪を判断したり、
正論で子どもを説得したり、
不安をあおって
子どもの行動をコントロールしたり
する力ではないのです。

こうした聴き方をすることで、
子どもはどうなるのかというと、
「安心」をします。

あぁ、お母さんは
私の気持ちをわかってくれた。
「勉強がわからない」
「勉強したくない」
「学校が嫌」
「○○ちゃんが嫌」
「先生が怖い」
「学校の音がうるさい」
「どうして授業中は立っちゃいけないかわからない」
「なぜ勉強が必要なのかわからない」
「暗いところは怖い」
「もう食べたくない」
「まだ起きていたい」
「もっと抱っこしてほしい」
「お母さんと一緒にいたい」
「もっと遊びたい」
「この服は着たくない」
それがいいのか悪いのか、
正しいのか正しくないのか、
ではなく、
私がそういう気持ちを持っている。
ということを、
お母さんは受け止めてくれた。

子どもがそういう感覚を持つことが、
「認める」
ということなんです。

認めたところで、
子どもは増長しませんし、
わがままになりませんし、
甘やかしにもなりません。

逆に、
「お母さんはわかってくれた」
「お母さんは自分の味方だ」
「自分は一人じゃない」
「自分には味方をしてくれる人がいる」
「私はこんな私でもいいんだ」
と思えるようになります。

それが、HSE(高い自己肯定感)に
繋がっていくのです。

HSEを持つことが、
子ども自身が抱える問題解決の
ベースになっていきます。

HSEを持つことで、
どうして問題が解決できていくのか、
HSEを持てないとどうなるのかは、
また明日書きますね!

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