巻き込まれると、大変なやつ

2日間、京都の長男宅に通い、
これから1週間、
自分で頑張るんだよ。
と言って始まった、
月曜日の朝。

その日おかんは、
定期健診のため、
病院にいました。

長男は月曜日で
授業がないため、
1日バイトと
聞いていました。

順番が着て、
待合室から
診察室に移動した時、
携帯に、
長男からの着信を示す通知が
届きました。

何かあったのか?

こういう時だけに、
つい悪い想像を
してしまいます。

まだ診察室に入るには、
数分あったので、
すぐにロビーへ行き
折り返し電話をしてみました。

「学生証が見つからない。
あれがないと学校に入れない。」

彼のバイト先は、
大学の中。

入れないとバイトに行けません。

声からは
とても焦っている様子が
伝わってきます。

本人は、
片づけすぎて失くした。
と言っています。

あぁまたやってくれたのか。
一瞬そんな気持ちに
なってしまいます。

こういう時は、
いつものルールを思い出すのが
一番。

「最後に使ったのはいつかな?」

「昨日のバイト終わりに
大学出るとき」

「その時使って、
どこにしまったの?」

「リュックの中」

「それからは1度もつかってないの?」

「使ってない」

「じゃあもう一度ゆっくりと、
リュックの中を探してみてくれる?」

しばらくガサゴソと
探る音が聞こえます。

そして。

「あった!
リュックの一番底にあった!」

「よかった!
バイトはまだ間に合う?」

「うん大丈夫。
行ってくる。」

1件落着。

ホッとして診察室前の
ソファーに戻りながら
考えます。

昔からこういう探し物を
何度も何度も繰り返し、
そのたびに
大騒ぎで、
時にはパニックみたいになって、
冷静に考えたら、
そこにはないよ。
っていうところを
一所懸命さがしている。

小学校の時に、
先生に呆れられ、
怒られ、
親の方で何とかしてください。

と言われたのも、
これだった。

あれからもう
数え切れないほど、
その光景を目の当たりにしている。

そして自分も、
最初は呆れたり、
怒ったり、
ブチ切れて責めたりと
大変だった。

コーチングを学び、
発達障害を理解し、
受け止めてからは、
毎回そのまま受け止め、
冷静に探す場所を
本人に確認させたり、
どうにも見つからない時は、
再発行の対応などを
してきた。

責めず、
見守り、
少しでもそういうことが
なくなるような工夫を
一緒に考えたり、
本人に考えることを促し、
本当に1ミリずつ成長していくのを
見守ってきた。

彼の特性を理解し、
ほんのちょっとこちらが落ち着いて
サポートしてあげれれば、
あっという間に解決することも
多いのだ。

けれどそれは、
親だからできたことであり、
友達という関係性で、
それをすることは、
負担をかけすぎてしまうと
いうことなのかもしれない。

この1年半、
親元を離れて、
頑張ってきた間も、
繰り返しこういうことが
起こって、
最初は助けてくれていた友達が、
だんだん疲弊し、
もう無理だと
なってしまったのではないか。

あんまり突き詰めると、
彼のこの先に、
不安しか見えてこないので、
このあたりで考えるのは
止めました。

それよりも、
これからどうするのか。
を考えていこう。

私たちだって、
失くしものをしたりする。

そこは、
多少の頻度の差はあるけれど、
よくあること。

であれば、
なぜ彼の場合、
周りがしんどくなっていくのか。
ということです。

その答えの一つが
「不安」
なのだと思います。

気質からなのか、
特性からなのか、
よくはわかりませんが、
彼の中には、
いつも不安があるように
感じます。

自分がすることについての、
情報がないことへの不安。

将来が見えないことへの不安。

お金が少なくなることへの不安。

初めての場所や
初めての人への不安。

失くしものが見つからなくなる不安。

落ち着いて
周りを見て、
ゆっくりやれば、
大丈夫なことも
多いのですが、
そこで強く不安を感じてしまい、
焦ってきて、
とんちんかんな場所を探してみたり、
抱えきれなくて、
不安を口にしてみたり、
その不安から
周りを巻き込んでしまうタイプ
なのだと思います。

一見すると、
そうは見えないので、
彼の近くにいる人たちは
驚き、呆れ、
離れていったり、
怒ったりするのでしょう。

そして、
その経験から、
また不安が膨らんでいく。

おかんにできることは、
不安を感じながらも、
自分が少しでも
冷静にもどれるための
ルールや、方法を
彼自身が自分で使えるように
なっていくために、
サポートすることで、
それはまだ
ゴールには
たどり着いていないということ。

そして、
何をどうして
克服していくのか、
ましにしていくのか、
その答えは彼の中にあり、
おかんがその答えを出して、
与えることはできないのだ。
ということ。

やっぱり、
彼を信じて、
応援していくしかないな。

と思いました。

もちろん
おかんにも不安はあります。

けれども同時に、
親として、
いつも受け止め、
どこまでも
出来る限りのサポートをして、
信じて見守る覚悟は
できています。

子どもを信じられるかどうかは、
親として、
寄り添い見守り信じる覚悟が
あるかどうかなのだと、
思うのです。

やっぱりここも、
できるかどうか。
ではなく、
自分がすると
決めるかどうかなのでした。

何とか1日
バイトを終え、
その足で彼は、
眼科に行き、
メガネをコンタクトに
変えてきました。

その行動も、
今までの彼からすると、
予想外という感じで、
ああ彼は、
本当に頑張ろうと
前を向こうとしているんだな。

そんな風に感じました。

続きはまた明日、
書いていきますね。

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