子どもが勉強しません(3)

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長男が中学に入学して、
中3の後半くらいまでは、
まだまだ試行錯誤を
していたおかんです。

本人の意思を尊重すると
言いながら、
別の日はまた、
勉強するそぶりがないことに、
イライラしたりもしていました。

当たり前ですが、
そんな状態なので、
自己嫌悪に陥ることも
頻繁にありました。

肯定と、
否定と、
自己嫌悪を繰り返しつつ、
それでもあきらめずに
コーチングを学び、
セッションを受け、
我が子を肯定することと、
自分自身を肯定することに、
必死でした。

そしてある日、
それはやってきます。

高校受験が
だんだん現実のものとなってきて、
受験する高校を
もう決めなければならない。

そんな時期でした。

これは、
気づき?
というか、ひらめき?

とにかく、
いままでさんざん
自問自答してきたことに対して、
稲妻のように、
ある想いが
ひらめいたのです。

それまでおかんは、
長男が、できる限り
成績上位の高校に入学し、
大学を狙っていくことが、
彼の未来のためだと
考えていました。

偏差値の高い高校に
入れば入るほど、
大学受験は、
楽になるのではないか。

それはもちろん、
地元で進学校と言われた高校に
進学した自分だったからこそ、
考えた道だったと思うのですが。

自分自身は、
そこに入学したからこそ、
その先を目指すことが
できたのだと
思っていたからです。

だからいつも、
長男を励まし、
もっとできると褒め、
勉強している様子がないと、
やる気あるのか?
くらいにイライラし、
厳しい言葉も言ってました。

助かったのは、
それまでに築いた
信頼関係が
そこで壊れることがなかったことです。

親子の信頼関係なんて、
親の不用意な言葉や態度で、
あっという間に
壊れていきますからね。

長男が小学生の時に、
コーチングを学び始め、
聴くこと・認めることを徹底し、
強い信頼関係を築いておいたことが、
とても役に立ちました。

そしてこのことは、
彼らの自己肯定感を高めるためにも
とても有効で、
おかんが自分自身の自己肯定感を
きちんと持てるようになるよりは、
彼等を肯定することの方が、
早くうまくいったのです。

いい高校に入ること。
そうすれば、
長男の未来は
少し安心できるものに
なるだろう。

でもそれが、
本当の本当に、
長男にとって
幸せなのか?

いい高校に入って、
いい大学に入って、
就職して、
それで本当に幸せなのか?

ふと気づいて、
冷静に周りを見渡したとき、
だから幸せ。
なんていう人は、
1人もいませんでした。

自分自身、
進学校に入学し、
大学に行った。

それが理由で、
今が幸せなのかと言われれば、
答えはNOですからね。

幸せは、
学歴とは連動していないのです。

ならなぜ、
そんなに一生懸命
それを手に入れようとしているのか?

なぜそれを、
我が子にも
手に入れさせようとしているのか?

そこに我が子を押し込んで、
彼は幸せになれるのか?

答えがNOなら、
なぜそれを
強制しなければならないのか?

そしておかんは、
そう感じた直後に
長男に対してこう言いました。

「3年間、自分が心から楽しめると思う高校を、
自分で選んで受験したらいいよ。
おかんは、キミの選択を、
全力で応援するから。」

もちろん滑り止めに
確実に合格できる
私立高校を受験しましたし、
最悪そこに行くことになる
覚悟もしました。

おかんが望んだ高校に落ちて、
そこへ行くのは、
納得できないだろうけど、
自分が決めて
チャレンジした結果だったら、
自分で納得して、
その後を決めてくれるに違いない。

そう信じて進めました。

長男が選んだのは、
中学時代に始めた陸上を、
よりよい環境で
続けられる学校。

親のためにでも、
誰かに評価されるためにでもなく、
本気で自分が望むことを
するために、
自分で選んだ高校に進学する。

大事なのは、
自分を肯定し、
その自分が本気で望むことを
実現するために行動することなのでした。

それまでのおかんから、
今のおかんに変った転換点。

それがこの、
長男中学3年生の時でした。

この先おかんは、
一切息子たちに、
「勉強しなさい」
を言わなくなりました。

それは、
彼ら自身の問題だから。

本当に自分を大切にして、
その大切な自分の、
大切な未来を考えたら、
おのずとすべきことは
見えてきます。

それが勉強なら、
勉強するだろうし、
それ以外のことなら、
それ以外のことに
打ち込むでしょうからね。

でも不思議と、
それからの方が、
彼等は自分で考えて、
勉強に取り組むように
なりました。

次男なんて、
まさにそうですもんね。

でもご注意くださいね。

ただただ
「勉強しなさい」
を言わなければ、
子どもが勉強するようになる。
というものではありませんから。

ガミガミ言うよりは、
言わずに我慢したほうが、
ましかもしれないですけどね。

そもそも、
なんで「勉強しなければいけないのか」

親自身がしっかりと
自分の意見として持つこと。

そして、
その自分の意見と同じように、
我が子の意見に耳を傾け、
尊重して受け止めること。

親子の信頼関係の上に立って、
子どもの言葉に
真剣に耳を傾け、
真剣に親の想いを
伝えていくこと。

そうやって、
対話をしながら、
それぞれの親子の、
「勉強する理由」を、
見つけていただきたいと
思います。

おかんや息子たちにとって、
勉強とは、
自分が目指すものを
手に入れるための
ツールの一つだということです。

たんなるツールの一つであって、
勉強すること自体が
目的ではない。

そうお互いが認識しているから、
何も言わなくても、
自分で必要性を感じるときに、
勉強をし、
必要性を感じていないときは、
全くしていないのだと
思います。

・自己肯定を持ち、子どもをありのままで肯定すること。
・親子の信頼関係を築くこと。
・子どもの話に真剣に耳を傾けること。
・親としての勉強に対する考えや経験を伝えること。

そのうえで、
子どもの行動を信じて見守り、
本人が望む方向に
進むことを
精一杯応援してあげてくださいね。

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