楽しい3年間

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「ちょっと出かけてくるわ!」

月曜の夜、
ドラッグストアのバイトが終わって
9時半くらいに帰宅した次男は、
そう言って再び
家を出ていきました。

「え!今からまた出るの?」

「だって友達も土日バイトやから、
今しか会えへんし。」

いやいや
キミ土日フルで家を出ていたでしょう。

土曜日なんて、
夜中の2時半に
友達連れて帰ってきたじゃないか。

でも多分、
その友達とは
違う友達なんだろうな。

とりあえず、
言いたいことを、
反発されない程度に
言っておこう。
笑顔笑顔。

「明日も学校あるからね。
ちゃんと起きられる時間に
帰っておいでよ。
せめて11時くらいには
帰っておいで。」

「えーなんで時間を
決められなあかんの。」

ほら出た反抗期。

キミ朝起きられないじゃないか。

夜中にシャワーするじゃないか。
あんまり遅くに帰ってきて、
シャワーの音は
近所迷惑でしょうが。

それにさ。。。。

「あんまり遅くなったら、
またおまわりさんに声かけられるでしょ。
お母さん、夜中に起こされるの嫌。」

「保険証持ってるから
もう電話はかかってこないって。」

いや、そういうことでもないだろ。

まだ言いたいことは
あったのですが、

「あ、友達から電話や。
いってきまーす!」

まんまと逃げられた!

高校2年生。

もしかしたら、
人生で一番遊びたい時期なのかも
しれない。

親から見れば、
もう高校2年生。
そろそろ受験も気になりだす頃
なのかもしれませんが、
彼らにしてみれば、
まだ高校2年生。

学校にも慣れ、
まだ受験はもう少し先で
ピンときていない。

中学時代と比べて、
活動範囲は各段に広くなり、
バイトをして
財布にも余裕がある。

そうなったら、
遊ばない理由はないのだろうな。
と思います。

私自身、
もう戻りたいとは
思わないけれど、
それでも高校時代は、
いろんなことがあって
すごく楽しい時間だったし、
あの3年間があるから、
今の私がある。

そんな風にも
思っています。

それは、
大人としての私の
土台を作ってくれた時期だから。

勉強では得られないものを
たくさん得た時期だから。

そんな記憶があるからこそ、
息子たちには、
「高校の3年間は、
自分が楽しめるところに
行きなさい。」
と言っていきたい高校を選ばせましたし、
事実長男は、
「この学校に入ってよかった!」
と言い
3年間とても充実した
高校生活を
送りました。

何が
楽しみになるのか、
どんなことで
充実させるのか。

それは、
本人が決めることであって、
親が決めることでも、
親が決めた通りにさせることでも
ありません。

子どもは、
親のために生きているわけでも
ないのですからね。

後で振り返って、
いい3年間を過ごしたな。

と思えるような高校生活は、
ただ勉強をしたから得られるものでは
ないと思います。

長男のように、
ほぼ部活メインですごすのもあり、
次男のように、
バイトと友達付き合いで
フル回転するのもあり、
他にも
趣味に生きるのも
いいことだと思いますし。

そうやって、
どんなことであっても、
のめり込んで、
楽しむからこそ、
自分で時期が来たら、
すべきことに
集中していくのかも
しれません。

そして本来それは、
小学時代の6年間も、
中学時代の3年間も、
同じ。

彼らが彼らなりに、
精一杯楽しんで過ごせたのなら、
それでいい。

楽しいことも
しんどいことも、
辛いことも、
いろいろあるでしょうけれど、
精一杯その中で
やりきっている毎日があれば、
それ以上に求めることも
ないと思いますし、
親の目線からだけ見ていては、
彼らがどう感じて
日々過ごしているのかは、
わからないことなのかも
しれません。

友達と遊びたい。
その次男の気持ちを
押さえつけて、
制限をかけると、
逆に反発が強くなり、
親への当てつけで
出ていくことが
増えるような気がします。

誰だって、
うるさい親のいるところに
一緒にいたくは
ないでしょうからね。

それよりも、
子どもが気持ちよく
過ごせる場所を作って、
いつでも
帰れるようにしておくこと。

普段から
信頼関係を築き、
親が根ほり葉ほり聞かなくても、
子どもから話してくれる
状態を作っておくこと。

口で言うよりも、
親自身の生き方で、
子どもを導いていくこと。

だいたいのことは、
黙って子どもに任せた方が、
結果うまくいくのだと、
散々失敗もしてきて
今、振り返って思います。

子どもたちは本来、
自分で考えて行動する力を
持っています。

それを
うまく引っ張り出し、
伸ばしていくのが
親の役割。

親の望む枠に
子どもを押し込むことが
役割ではありません。

長男も次男も、
その時その時に、
自分で考え、
自分のペースで
行動を決め、
動いています。

おかんはただ、
必要とされる時に
手を差し伸べればいいし、
それ以外は黙ってそばに、
空気のようにいるだけ。

それでも
その安心感で、
子どもたちは
いろんなことに
やる気を持って
チャレンジしていきますし、
どんな夢を持っても
否定されないので、
伸び伸びと自由に
生きていくことが
できています。

もちろん
そうやって行動する中で、
失敗もあるでしょうし、
言葉と行動が
矛盾しているときも
あります。

それも、
彼らの成長の
ひとつのステップであり、
必要なことなんだ。

そうおかんは思って
見ています。

巻き込まれると面倒くさいし、
あれこれ心配していたりすることも
ありますけどね。

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